歌舞伎役者市川海老蔵さんの奥さま麻央さんが闘病の末お亡くなりになりましたね。

受け止め方は人それぞれだと思いますが、海老蔵さんが会見で見せた涙は・・・心を打つ涙でした。

 
私も、若い頃に実父を「癌」で亡くしました。

その当時は、まだ「癌」というものも研究され始めたばかり。
今のように本人告知が当たり前ではなく、本人に告知するかどうかは家族に委ねられていました。
父の場合は10万人に一人と言われる大変珍しい場所にできる癌でした。抗がん剤も、それぞれの部位にできた癌に効果があるものではなく1種類しかなく、効果があるかどうかすらわからない、また、非常に珍しい癌で臨床データもなく手術すら確率されていなくて、手の施しようがありませんでした。

本屋という本屋をハシゴして、本を買いあさって読みまくったことが思い出されます。

西洋医学で限界ならば、東洋医学や免疫力を上げる療法も取り入れたり、父の職場の方にお願いをして仕事好きな父のために架空の仕事を持ってきてもらったり、父のために家族は必死に必死に・・・

入退院を繰り返しているうちに、あるとき父が天上を見上げながら、「この天上の先には空が広がっていて、その空の先には宇宙が広がっていて、その宇宙の先にはなにがあるんだろうな」と。
本人への告知はしなかったものの、自分のからだのことは自分が一番わかるはずで、なんとなく鼓動が止む時が迫ってきていることを悟っていたんじゃないのかなぁと思います。

次第に痛みが出始め、モルヒネで痛みをコントロールしなければならず、そうするともう話すこともままならなくなる・・・
でも目の前で痛みに耐える父をこれ以上見ていられないと、話せなくてもいいから痛みをとってあげて欲しいとモルヒネの量を徐々に徐々に増やしていくことに。

なんとなく、あの当時のことを思い出してしまいましたねぇ。


麻央さんは、ご家族だけではなく、どんな状況におかれても人として人をおもいやるということを全身全霊をこめて伝えたかったのではないのかなぁと。

私も父から「人として人をおもいやる心」を教えてもらいました。

父を亡くしてから、なんとなくいつもすぐそばで見ていてくれているような温かい感じがするようになりました。
お酒造りを教えて下さった馬場先生を亡くした時も、やはり同じ感覚で...

肉体はなくなっても、すぐそばでいつも見守っていてくれると信じていますので、恥ずかしくないように生きていくことを改めて思いました。


謹んで哀悼の意を表します。


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